「持ち出し」と「備蓄」は分けて考える
防災用品は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。ひとつは、自宅で過ごす「在宅避難」のための備蓄。もうひとつは、自宅が危険なときに避難所などへ持って出る持ち出し品です。
持ち出し品は背負って歩くことが前提なので、何でも入れればよいわけではありません。「避難先で最初の1日をしのぐ」ことを目安に、必要なものを絞り込みましょう。
なお、外出先で被災することも考え、通勤かばんにはライト、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬などを入れた小さなポーチを常に持ち歩くと安心です。こうした日常的に持ち歩く備えは、持ち出し用リュックとは別に用意しておきましょう。
必ず入れておきたいもの
- 飲料水(500mlペットボトル2〜3本)
- すぐに食べられる食料(栄養補助食品、ようかん、ビスケットなど)
- 懐中電灯またはヘッドライト、予備の電池
- 携帯ラジオ
- モバイルバッテリーと充電ケーブル
- 携帯トイレ(数回分)
- 救急用品(ばんそうこう、ガーゼ、常備薬)
- マスク、ウェットティッシュ、ポケットティッシュ
- 現金(公衆電話でも使える10円玉・100円玉を含めて)
- 身分証明書や保険証のコピー、家族の連絡先のメモ
- 軍手(または作業用手袋)
- 雨具(レインコート)
現金は、停電で電子決済やATMが使えない場合に備えるものです。お札だけでなく小銭も用意しておくと、自動販売機や公衆電話を使うときに困りません。通帳や印鑑などの貴重品は、持ち出し用リュックに入れっぱなしにせず、すぐに持ち出せる場所にまとめて保管しておきましょう。
スマートフォンが使えなくなることを考えると、家族の電話番号や集合場所を紙に書いておくことも大切です。
あると助かるもの
- アルミブランケット(保温シート)
- タオル、着替え(下着・靴下)
- 歯ブラシ、口腔ケア用のシート
- ホイッスル(閉じ込められたときに居場所を知らせる)
- 耳栓、アイマスク(避難所で眠るために)
- ポリ袋(ごみ入れ、防水、簡易的な雨よけにも)
- 筆記用具、油性ペン
避難所では、夜間も照明がついていたり、周囲の物音が気になったりして、思うように眠れないことがあります。耳栓やアイマスクのような小さな道具が、体力を保つうえで役立ちます。また、季節によって必要なものも変わります。冬は使い捨てカイロや手袋、夏は汗ふきシートや塩分補給のためのタブレットを加えるなど、衣替えのタイミングで中身を入れ替えるとよいでしょう。
ご家族に合わせて加えるもの
| ご家族 | 加えたいもの |
|---|---|
| 乳幼児 | 粉ミルクまたは液体ミルク、哺乳瓶、紙おむつ、おしりふき、抱っこひも |
| 高齢の方 | 常備薬とお薬手帳のコピー、入れ歯と洗浄剤、眼鏡、介護用品 |
| 女性 | 生理用品、防犯ブザー、ヘアゴム |
| ペット | フード、水、リード、ケージ、トイレ用品、ワクチン接種の記録 |
持病のある方は、薬を数日分持ち出せるようにしておくと安心です。処方薬は期限があるため、ふだん使っているものを入れ替えながら備えましょう。
重さと置き場所、見直しのタイミング
リュックの重さは、男性で15kg、女性で10kg程度までが目安とよく言われますが、実際には体力によって大きく異なります。一度背負って家の周りを歩いてみて、無理なく歩ける重さに調整してください。重いものを背中側の上のほうに入れると、体感の重さが軽くなります。
置き場所は、玄関の近くや寝室など、すぐに持ち出せるところに。家族それぞれが自分のリュックを用意し、どこにあるかを共有しておきましょう。
最後に、入れっぱなしにしないことも大切です。食料や水、電池の期限、子どもの成長にあわせた服のサイズなどを、半年から1年に一度は見直す習慣をつけましょう。
参考:内閣府「防災情報のページ」(https://www.bousai.go.jp/)、首相官邸の防災関連ページ、農林水産省の家庭備蓄に関する資料など。お住まいの地域の避難場所やハザードマップ、ごみの出し方などは、自治体の防災情報をご確認ください。